術中に予期せぬ血行再建を要した破裂中大脳動脈瘤手術

「はじめに」 ある程度経験を積むと, 手術中にいわゆる"想定外"の事態に遭遇することは比較的少なくなってくる. むしろ, 若手の手術の指導, 監督中に"想定外"の事態に直面してトラブルシューティングに対応せざるを得ないことが増えてくる. 今回, 当院で経験した中大脳動脈瘤の手術において, 想定外に血行再建を要したトラブルシューティングの症例の数々を検討, 報告する. 「症例報告」 中大脳動脈瘤に対する開頭クリッピング術を予定して手術に臨んだが, 術中・術後のトラブルにより血行再建術を併用した手術となった4症例について検討した. 「1. 症例1: 76歳,...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 48; no. 2; pp. 122 - 128
Main Authors 吉河, 学史, 堤, 一生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2020
日本脳卒中の外科学会
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Summary:「はじめに」 ある程度経験を積むと, 手術中にいわゆる"想定外"の事態に遭遇することは比較的少なくなってくる. むしろ, 若手の手術の指導, 監督中に"想定外"の事態に直面してトラブルシューティングに対応せざるを得ないことが増えてくる. 今回, 当院で経験した中大脳動脈瘤の手術において, 想定外に血行再建を要したトラブルシューティングの症例の数々を検討, 報告する. 「症例報告」 中大脳動脈瘤に対する開頭クリッピング術を予定して手術に臨んだが, 術中・術後のトラブルにより血行再建術を併用した手術となった4症例について検討した. 「1. 症例1: 76歳, 女性」 くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage: SAH)WFNS grade 2にて当院救急搬送された. 脳血管撮影では右中大脳動脈M1M2分岐部に比較的小さめの動脈瘤を認め, 同日開頭クリッピング術を施行した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.48.122