高齢化が進む三重県伊勢志摩地区におけるくも膜下出血の解析─10年間 448例の解析
「はじめに」 本邦においては, 高齢化が進行しているものの, 高齢者であっても自立した生活が送れる人口が増加している. 65歳以上の高齢者は, 全国統計では人口の23%である. しかし, 当院が医療圏として担っている伊勢志摩・東紀州地域においては, 人口約33万人に対して31%が65歳以上であり, 住民の3人に1人が高齢者である. 75歳以上のくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage: SAH)発生率は35-45歳の2.5倍以上と報告されている. 当施設の過去10年の症例を分析することにより, 高齢化が進む当地域の傾向を示し, 今後の課題をみつけることを目的に検討した. 「...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 44; no. 5; pp. 357 - 361 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2016
日本脳卒中の外科学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.44.357 |
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Summary: | 「はじめに」 本邦においては, 高齢化が進行しているものの, 高齢者であっても自立した生活が送れる人口が増加している. 65歳以上の高齢者は, 全国統計では人口の23%である. しかし, 当院が医療圏として担っている伊勢志摩・東紀州地域においては, 人口約33万人に対して31%が65歳以上であり, 住民の3人に1人が高齢者である. 75歳以上のくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage: SAH)発生率は35-45歳の2.5倍以上と報告されている. 当施設の過去10年の症例を分析することにより, 高齢化が進む当地域の傾向を示し, 今後の課題をみつけることを目的に検討した. 「対象と方法」 2004年4月1日から2014年3月31日までに, 脳動脈瘤破裂が強く疑われたSAHにて入院した448例を対象とした. 年齢区分について, SAHに関する報告では80歳以上に注目したものが多くみられるが, われわれは64歳以下, 65-74歳, 75-84歳, 85歳以上の4段階に分けて検討した. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.44.357 |