80歳以上のくも膜下出血症例に対する治療成績

「はじめに」 2011年現在で, 日本の人口の6.5%が80歳以上である. 今後人口の高齢化はますます進むと予想するのが妥当であるが, それとともにactivity of daily living(ADL)の良好な高齢者も増加するため, 単に高齢だからといって治療適応外と切り捨てるわけにはいかない. とはいえ, 特に80歳以上の超高齢者では, 手術リスクが高い上に術後リハビリの効果も出にくく機能的予後が不良となるリスクが高いため, 急性期の治療方針に迷うことが多い. 当院では救命救急センターという施設の特徴から, 高齢者のくも膜下出血であっても, 救命のために積極的に動脈瘤に対する根治治療を行...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 42; no. 5; pp. 336 - 339
Main Authors 原, 淑恵, 山下, 晴央, 林, 成人, 井上, 悟志, 田中, 宏知, 藤田, 祐一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2014
日本脳卒中の外科学会
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Summary:「はじめに」 2011年現在で, 日本の人口の6.5%が80歳以上である. 今後人口の高齢化はますます進むと予想するのが妥当であるが, それとともにactivity of daily living(ADL)の良好な高齢者も増加するため, 単に高齢だからといって治療適応外と切り捨てるわけにはいかない. とはいえ, 特に80歳以上の超高齢者では, 手術リスクが高い上に術後リハビリの効果も出にくく機能的予後が不良となるリスクが高いため, 急性期の治療方針に迷うことが多い. 当院では救命救急センターという施設の特徴から, 高齢者のくも膜下出血であっても, 救命のために積極的に動脈瘤に対する根治治療を行ってきた. この治療転帰は, 今後増加する高齢者の重症くも膜下出血の治療方針決定に資するものと考えられる. 当院に入院した80歳以上のくも膜下出血(SAH)症例を調査し, 治療方針について考察した. 「対象と方法」 当院が開院した2003年から, 2011年までに当院に救急搬送され, 入院, 治療を行った80歳以上のSAH症例を対象とした.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.42.336