特発性頚部内頚動脈解離5症例の臨床的検討
「はじめに」特発性頚部内頚動脈解離は可逆性で, 症状の発現は塞栓症が多いとされ, 抗血栓療法などの保存的治療が推奨されている. しかし, 進行性に増悪する症例も存在し, バイパス術やステント留置などの追加治療が必要とされた報告もあり, いまだ一定の治療法が確立しているとはいいがたい. 当施設では, 脳虚血例に対しては超急性期にバイパス併用による内頚動脈結紮を第一選択としていたが, 保存的治療例も含めてその自験例5例および文献的考察から特発性頚部内頚動脈解離に対する治療方針を検討した. 「対象, 方法」対象は2009年11月から2013年1月までに当施設 (網走脳神経外科・リハビリテーション病院...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 43; no. 2; pp. 130 - 135 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2015
日本脳卒中の外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.43.130 |
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Summary: | 「はじめに」特発性頚部内頚動脈解離は可逆性で, 症状の発現は塞栓症が多いとされ, 抗血栓療法などの保存的治療が推奨されている. しかし, 進行性に増悪する症例も存在し, バイパス術やステント留置などの追加治療が必要とされた報告もあり, いまだ一定の治療法が確立しているとはいいがたい. 当施設では, 脳虚血例に対しては超急性期にバイパス併用による内頚動脈結紮を第一選択としていたが, 保存的治療例も含めてその自験例5例および文献的考察から特発性頚部内頚動脈解離に対する治療方針を検討した. 「対象, 方法」対象は2009年11月から2013年1月までに当施設 (網走脳神経外科・リハビリテーション病院, 道東脳神経外科病院) で治療した特発性頚部内頚動脈解離の5症例 (平均年齢47.0歳±12.7歳, 男性4例, 女性1例) とした. 2例で外科的治療, 残りの3例で保存的治療が施行され, それらに対してretrospectiveに治療法と臨床経過を検討した. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.43.130 |