サウナによる顔面重症熱傷の1再建例
「はじめに」近年の健康志向により大型温泉施設で人々が手軽にサウナを利用するようになった一方で, サウナで熱傷を受傷し病院を受診する患者が増加している1,2. われわれは大量飲酒後にサウナで意識消失し, 顔面重症熱傷を受傷した症例を経験したため, サウナ熱傷の機序に関する考察を含めて報告する. 「症例」患者:63歳, 男性 主訴:意識障害, 顔面熱傷 既往歴:糖尿病, 舌癌(手術歴あり) 現病歴:大量飲酒後にサウナに入室し, うつ伏せの状態で意識消失した. 目撃者によると少なくとも1時間はうつ伏せの状態で意識消失しており, 巡回中の従業員が発見し, 当院救命救急センターに搬送となった. 入室時,...
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Published in | 日本医科大学医学会雑誌 Vol. 5; no. 4; pp. 225 - 227 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2009
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ISSN | 1349-8975 1880-2877 |
DOI | 10.1272/manms.5.225 |
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Summary: | 「はじめに」近年の健康志向により大型温泉施設で人々が手軽にサウナを利用するようになった一方で, サウナで熱傷を受傷し病院を受診する患者が増加している1,2. われわれは大量飲酒後にサウナで意識消失し, 顔面重症熱傷を受傷した症例を経験したため, サウナ熱傷の機序に関する考察を含めて報告する. 「症例」患者:63歳, 男性 主訴:意識障害, 顔面熱傷 既往歴:糖尿病, 舌癌(手術歴あり) 現病歴:大量飲酒後にサウナに入室し, うつ伏せの状態で意識消失した. 目撃者によると少なくとも1時間はうつ伏せの状態で意識消失しており, 巡回中の従業員が発見し, 当院救命救急センターに搬送となった. 入室時, 意識レベル(JCSIII-200), 全身硬直状態, 体温39℃, 血糖260mg/dL, 重度の脱水所見を認めた. また搬送直後は, 顔面(上口唇, 左頬部, 左耳, 鼻)に発赤・小水疱を認めるのみであったが, 翌日より同部に境界明瞭な紅斑様病変を認め, 徐々に赤みが強くなった(Fig. 1). |
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ISSN: | 1349-8975 1880-2877 |
DOI: | 10.1272/manms.5.225 |