特殊心筋疾患に合併する致死性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療戦略―催不整脈性右室心筋症および心サルコイドーシスを中心に

心室頻拍(VT)を合併する特殊心筋疾患は,催不整脈性右室心筋症(ARVC)や心サルコイドーシスが主である.【方法】VTを合併するARVC 84例,および心サルコイドーシス17例におけるアブレーション成績と長期予後を検討した.【結果】ARVCでは,平均9.2±6.5年の経過観察中に,VTの再発は31例(37%),心不全での入院は18例(21%),心原性死亡は7例(8%),心臓突然死は5例(6%),心不全死は2例(2%)に認めた.アブレーションは48例に施行し,81%でVTの誘発不能となった.経過観察中31%でVTの再発を認めた.心サルコイドーシスに伴うVT 17例に対し,アブレーションを施行した...

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Published in心電図 Vol. 33; no. 3; pp. 263 - 269
Main Authors 里見, 和浩, 岡松, 秀治, 和田, 暢, 井口, 公平, 小林, 貴, 船迫, 宴福, 川上, 大志, 大塚, 陽介, 中島, 育太郎, 野田, 崇, 宮本, 康二, 山田, 優子, 岡村, 英夫, 相庭, 武司, 鎌倉, 史郎, 清水, 渉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 2013
日本心電学会
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Summary:心室頻拍(VT)を合併する特殊心筋疾患は,催不整脈性右室心筋症(ARVC)や心サルコイドーシスが主である.【方法】VTを合併するARVC 84例,および心サルコイドーシス17例におけるアブレーション成績と長期予後を検討した.【結果】ARVCでは,平均9.2±6.5年の経過観察中に,VTの再発は31例(37%),心不全での入院は18例(21%),心原性死亡は7例(8%),心臓突然死は5例(6%),心不全死は2例(2%)に認めた.アブレーションは48例に施行し,81%でVTの誘発不能となった.経過観察中31%でVTの再発を認めた.心サルコイドーシスに伴うVT 17例に対し,アブレーションを施行したところ,9例(53%)で成功,1例は心外膜アプローチが必要であった.平均49±58ヵ月の経過観察期間中,アブレーション成功例9例中2例(22%)でVTが再発した.【結果】ARVCおよび心サルコイドーシス患者に対するVTアブレーション成績はいまだ不十分であり,今後の成績改善が待たれる.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.33.263