クリッピング手術を第一選択とする施設における高齢者SAHの治療成績と長期予後
「はじめに」すでに「高齢化社会」を経て, 「高齢社会」と称されて久しいわが国において, 高齢者のくも膜下出血 (subarachnoid hemorrhage : SAH) の手術適応と治療成績に関しては多くの報告がある. 80歳以上でも自立した生活を送っている高齢者が増えている現状では, 「高齢」という理由で一律に手術適応外とすることは適切ではない. また, 発症時の重症度が高齢者のSAHの予後規定因子であることも明らかになりつつあり, 慎重な手術適応のもと, 軽症例を確実に転帰良好へと導くことが重要である. 近年ではSAHの治療として血管内塞栓術が選択される頻度が増加しており, 高齢者でそ...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 48; no. 3; pp. 184 - 189 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2020
日本脳卒中の外科学会 |
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Summary: | 「はじめに」すでに「高齢化社会」を経て, 「高齢社会」と称されて久しいわが国において, 高齢者のくも膜下出血 (subarachnoid hemorrhage : SAH) の手術適応と治療成績に関しては多くの報告がある. 80歳以上でも自立した生活を送っている高齢者が増えている現状では, 「高齢」という理由で一律に手術適応外とすることは適切ではない. また, 発症時の重症度が高齢者のSAHの予後規定因子であることも明らかになりつつあり, 慎重な手術適応のもと, 軽症例を確実に転帰良好へと導くことが重要である. 近年ではSAHの治療として血管内塞栓術が選択される頻度が増加しており, 高齢者でその傾向が特に強い. 全身状態や動脈瘤の位置によっては血管内治療が圧倒的に優位であることは論を待たないが, クリッピング術との治療成績に有意差はなかったとする報告も散見される. また, 高齢者の血管内治療では, アクセスルートの問題や塞栓性合併症増加の問題もあり, 今後もクリッピング術の機会は減少することはあっても, 消失することはないと思われる. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.48.184 |