乳児くも膜下出血の1例
「はじめに」 15歳以下での脳動脈瘤の発生頻度は, 全脳動脈瘤のうち0.5-4.6%と少なく, さらに, 乳児例はきわめてまれにしか報告されていない. 今回, 生後1カ月半にくも膜下出血にて発症した脳動脈瘤に対する治療経験について報告する. 「症例」 患者:生後45日目, 女児. 主訴:哺乳後の嘔吐, 発熱. 現病歴:在胎38週3日, 体重3,135g, アプガースコア8/9で出生. 出生後, 黄疸があり光線療法を施行されているが, 頭部外傷歴はなかった. 生後45日目, 哺乳後に嘔吐があり, また38℃の発熱がみられたため外来受診した. 外来にて待機中間代性けいれんを認めたため頭部CTを施行...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 44; no. 3; pp. 224 - 228 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2016
日本脳卒中の外科学会 |
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Summary: | 「はじめに」 15歳以下での脳動脈瘤の発生頻度は, 全脳動脈瘤のうち0.5-4.6%と少なく, さらに, 乳児例はきわめてまれにしか報告されていない. 今回, 生後1カ月半にくも膜下出血にて発症した脳動脈瘤に対する治療経験について報告する. 「症例」 患者:生後45日目, 女児. 主訴:哺乳後の嘔吐, 発熱. 現病歴:在胎38週3日, 体重3,135g, アプガースコア8/9で出生. 出生後, 黄疸があり光線療法を施行されているが, 頭部外傷歴はなかった. 生後45日目, 哺乳後に嘔吐があり, また38℃の発熱がみられたため外来受診した. 外来にて待機中間代性けいれんを認めたため頭部CTを施行したところ, くも膜下出血を認めた. 入院時所見:体重4.8kg, 体温37.1℃. 機嫌はよく, 項部硬直や眼球偏位はみられず, 四肢の動きは良好であったが, 大泉門の軽度膨隆を認めた. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.44.224 |