破裂椎骨脳底動脈解離性動脈瘤に対するステント併用コイル塞栓術

「はじめに」後方循環の解離性動脈瘤は, 虚血でも出血でも発症し得る. 破裂した場合にくも膜下出血 (subarachnoid hemorrhage : SAH) を発症すると, 当日に再出血をきたすことが多く, 早期の手術が転帰を改善させると報告がある. 破裂によりSAHを発症した椎骨脳底動脈解離性動脈瘤に対する治療方針としては母血管閉塞 (deconstructive treatment) が標準的であり, 脳卒中治療ガイドライン2015にも記載されている. しかしながら, 脳底動脈に病変が及ぶ症例や対側の椎骨動脈の状態によっては, 母血管を温存したreconstructive treatm...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 47; no. 6; pp. 414 - 418
Main Authors 下田, 祐介, 牛越, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2019
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.47.414

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Summary:「はじめに」後方循環の解離性動脈瘤は, 虚血でも出血でも発症し得る. 破裂した場合にくも膜下出血 (subarachnoid hemorrhage : SAH) を発症すると, 当日に再出血をきたすことが多く, 早期の手術が転帰を改善させると報告がある. 破裂によりSAHを発症した椎骨脳底動脈解離性動脈瘤に対する治療方針としては母血管閉塞 (deconstructive treatment) が標準的であり, 脳卒中治療ガイドライン2015にも記載されている. しかしながら, 脳底動脈に病変が及ぶ症例や対側の椎骨動脈の状態によっては, 母血管を温存したreconstructive treatmentを選択することが必要となるため, 治療法選択に苦慮する場合がある. SAHで発症した椎骨脳底動脈解離性動脈瘤に対してステントを用いてのreconstructive treatmentが奏効した4症例を経験したので, その詳細を報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.47.414