Extradural temporopolar approachによる未破裂脳底動脈瘤や傍床部内頚動脈瘤のclipping術

「はじめに」extradural temporopolar approachは, 脚間槽を含む頭蓋底中心部病変に対して前外側方から到達する頭蓋底外科手術である2)12)13). Dolenc法3)の変法であり, 側頭葉を硬膜ごと後方に移動することによってできた空間を利用し, 海綿静脈洞外側壁越しに内頚動脈後方部から脚間槽に到達し, さらに後床突起の削除を加えれば斜台上部病変にも対応が可能となる. 海綿静脈洞を含む中頭蓋窩内側部から錐体斜台部領域の硬膜内外の腫瘍性病変のほかに, 内頚動脈後方部を含む傍床部内頚動脈瘤や上部脳底動脈瘤などの血管性病変の治療にも応用可能な優れた手術法である. 特に上部...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 42; no. 2; pp. 116 - 121
Main Authors 森, 健太郎, 和田, 孝次郎, 大谷, 直樹, 長田, 秀夫, 戸村, 哲, 山本, 拓史, 中尾, 保秋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2014
日本脳卒中の外科学会
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Summary:「はじめに」extradural temporopolar approachは, 脚間槽を含む頭蓋底中心部病変に対して前外側方から到達する頭蓋底外科手術である2)12)13). Dolenc法3)の変法であり, 側頭葉を硬膜ごと後方に移動することによってできた空間を利用し, 海綿静脈洞外側壁越しに内頚動脈後方部から脚間槽に到達し, さらに後床突起の削除を加えれば斜台上部病変にも対応が可能となる. 海綿静脈洞を含む中頭蓋窩内側部から錐体斜台部領域の硬膜内外の腫瘍性病変のほかに, 内頚動脈後方部を含む傍床部内頚動脈瘤や上部脳底動脈瘤などの血管性病変の治療にも応用可能な優れた手術法である. 特に上部脳底動脈瘤に対して前側方からのアプローチのため, 反対側の後大脳動脈や穿通枝の視認性に優れている. 海綿静脈洞外側壁の剥離, 前床突起の硬膜外からの削除など, やや手術手技が煩雑である難点がある. 今回, extradural temporopolar approachの手術方法についてわれわれの工夫を含めて報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.42.116