未破裂脳動脈瘤に対するクリッピング術後急性期MRIによる脳実質変化の評価

「はじめに」予防医学の観点から頭蓋内スクリーニングへの関心が社会的に高まる中で, しばしば発見される未破裂脳動脈瘤については, その多くを占める小型のものの自然経過における破裂率が低く, 治療適応について慎重であるべきなのは当然のことである. 予防的治療において虚血合併症が予後を大きく左右することは周知の事実であり, 直達術後の虚血病変についてMRの拡散強調像(diffusion-weighted imaging:DWI)で評価した報告が散見されるようになった. 直達術ではさらに, アプローチ操作に伴う実質損傷なども高次脳機能障害の原因となる可能性が報告されており, 治療合併症を論ずるうえでは...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 49; no. 3; pp. 180 - 185
Main Authors 角, 拓真, 菊地, 慈, 河本, 俊介, 金, 彪, 深谷, 春介, 安部, 欣博, 奥貫, かなえ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2021
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.49.180

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Summary:「はじめに」予防医学の観点から頭蓋内スクリーニングへの関心が社会的に高まる中で, しばしば発見される未破裂脳動脈瘤については, その多くを占める小型のものの自然経過における破裂率が低く, 治療適応について慎重であるべきなのは当然のことである. 予防的治療において虚血合併症が予後を大きく左右することは周知の事実であり, 直達術後の虚血病変についてMRの拡散強調像(diffusion-weighted imaging:DWI)で評価した報告が散見されるようになった. 直達術ではさらに, アプローチ操作に伴う実質損傷なども高次脳機能障害の原因となる可能性が報告されており, 治療合併症を論ずるうえでは虚血とアプローチ操作による影響の両方を含めた画像評価が必須と思われるが, 虚血以外の実質変化についての報告は驚くことにほぼ皆無である.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.49.180