頸性めまい症例における重心動揺検査の特徴的検査所見の検討
[はじめに]頸性めまいは, 頸部に原因があり骨や筋肉血管などの異常によるとされている. 通常診断は病歴と検査から行うが, 確定診断に苦慮する場合が多い. 今回我々は, 頸性めまい症例で, 通常の眼運動系検査と共に頸部の捻転, あるいは傾斜など負荷を加えた重心動揺検査を行い, 頸性めまい症例における特徴的所見を探索したので報告する. [対象と方法]2006年1月から2008年10月までに京大病院耳鼻咽喉科めまい外来で病歴からより頸性めまいと診断した10例(男性3例, 女性7例)を対象とし, 自発, 頭位, 頭位変換眼振検査と通常の重心動揺検査に加えて, 頸部傾斜捻転負荷時の重心動揺測定を行った....
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Published in | Equilibrium Research Vol. 71; no. 2; pp. 87 - 95 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
2012
日本めまい平衡医学会 |
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ISSN | 0385-5716 1882-577X |
DOI | 10.3757/jser.71.87 |
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Summary: | [はじめに]頸性めまいは, 頸部に原因があり骨や筋肉血管などの異常によるとされている. 通常診断は病歴と検査から行うが, 確定診断に苦慮する場合が多い. 今回我々は, 頸性めまい症例で, 通常の眼運動系検査と共に頸部の捻転, あるいは傾斜など負荷を加えた重心動揺検査を行い, 頸性めまい症例における特徴的所見を探索したので報告する. [対象と方法]2006年1月から2008年10月までに京大病院耳鼻咽喉科めまい外来で病歴からより頸性めまいと診断した10例(男性3例, 女性7例)を対象とし, 自発, 頭位, 頭位変換眼振検査と通常の重心動揺検査に加えて, 頸部傾斜捻転負荷時の重心動揺測定を行った. 年齢は37-66歳で平均49歳であった(表1). なお, 今回の検討では日本めまい平衡医学会による診断基準を参考にして, 頸部に原因があると考えられる症例を頸性めまいと定義した. 10例中7例は肩こりの症状が運動や筋緊張改善剤にて改善するとともにめまいも軽快した症例で, 残りの3例は事故後の頸椎捻挫に伴うものであり, これら臨床経過から頸性めまい症と診断した. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.71.87 |