外科的切除を施行した腸間膜脂肪織炎の一例

症例は50代男性.左下腹部の腫瘤を主訴に受診となり,腹部エコー,腹部CT,下部消化管内視鏡,注腸検査等で腸間膜脂肪織炎が疑われた.抗生剤の投与を行い約1ヵ月間経過観察としたが,体調不良の訴えが継続し,体重減少も著明で悪性疾患の可能性も否定できないため開腹手術が施行された.病理組織学的にS状結腸漿膜下組織に炎症細胞浸潤,線維芽細胞及び膠原線維の増生,漿膜に線維素が析出しており,腸間膜脂肪織炎の線維化の段階と考えられた.腸間膜脂肪織炎は稀な疾患であり,今回画像診断を中心に文献的考察を加えて報告する....

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Published in山口医学 Vol. 62; no. 2; pp. 111 - 115
Main Authors 白澤, 友宏, 斉藤, 満, 川野, 道隆, 松永, 尚治, 白井, 保之, 横山, 雄一郎, 野原, 寛章, 近藤, 哲, 新開, 泰司, 宮下, 洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 01.05.2013
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Summary:症例は50代男性.左下腹部の腫瘤を主訴に受診となり,腹部エコー,腹部CT,下部消化管内視鏡,注腸検査等で腸間膜脂肪織炎が疑われた.抗生剤の投与を行い約1ヵ月間経過観察としたが,体調不良の訴えが継続し,体重減少も著明で悪性疾患の可能性も否定できないため開腹手術が施行された.病理組織学的にS状結腸漿膜下組織に炎症細胞浸潤,線維芽細胞及び膠原線維の増生,漿膜に線維素が析出しており,腸間膜脂肪織炎の線維化の段階と考えられた.腸間膜脂肪織炎は稀な疾患であり,今回画像診断を中心に文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0513-1731
1880-4462
DOI:10.2342/ymj.62.111