胸腔ドレナージ後に乳糜胸を発症した自然気胸の1例

「緒言」乳糜胸は何らかの原因で胸管損傷を来すことにより発生する疾患であり, 呼吸器外科の範囲においては, 肺癌手術時の縦隔リンパ節郭清により起こすことが知られている. 今回われわれは, 自然気胸に対して脱気療法を施行したところ, 胸腔ドレーンによる胸管損傷から乳糜胸を来したと思われる症例を経験したので, 反省を含めここに報告する. 「症例」16歳 男性 主訴: 右胸痛, 呼吸困難感 既往歴: 特記すべきことなし 現病歴: 運動中に右胸痛および呼吸困難感が出現したため近医受診, 胸部単純写真上中等度の右自然気胸と診断され, 当科紹介となった. 入院時現症: 体温: 36.1℃ 血圧: 144/8...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 9; no. 3; pp. 156 - 159
Main Authors 臼田, 実男, 大塚, 雅美, 岡本, 淳一, 窪倉, 浩俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2013
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.9.156

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Summary:「緒言」乳糜胸は何らかの原因で胸管損傷を来すことにより発生する疾患であり, 呼吸器外科の範囲においては, 肺癌手術時の縦隔リンパ節郭清により起こすことが知られている. 今回われわれは, 自然気胸に対して脱気療法を施行したところ, 胸腔ドレーンによる胸管損傷から乳糜胸を来したと思われる症例を経験したので, 反省を含めここに報告する. 「症例」16歳 男性 主訴: 右胸痛, 呼吸困難感 既往歴: 特記すべきことなし 現病歴: 運動中に右胸痛および呼吸困難感が出現したため近医受診, 胸部単純写真上中等度の右自然気胸と診断され, 当科紹介となった. 入院時現症: 体温: 36.1℃ 血圧: 144/88 脈拍: 82/min 呼吸回数16/min SpO2: 98%(room air) 胸部聴診所見: 右肺呼吸音の減弱を認めた. 胸部単純写真(他院): 40%の右肺虚脱を認めた. 血算・生化学検査: 異常所見を認めず.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.9.156