直径3mm以下の微小脳動脈瘤に対するコイル塞栓術の治療成績─手技における注意点と工夫

「はじめに」直径3mm以下の微小脳動脈瘤は, 過去の文献においてはvery small aneurysmやtiny aneurysmと表現され, 術中破裂の危険性が一般の脳動脈瘤に比べて高く, 手技的にも難易度が高いとされている. 近年, 脳血管撮影装置による3Dイメージングの技術が進歩し, きわめて小径かつ柔軟なコイルが開発され, 微小脳動脈瘤に対しても比較的安全にコイル塞栓術が施行できるようになり, 治療成績が向上しつつある. しかしながら, 微小脳動脈瘤に対してコイル塞栓術を行うには, 熟練した手技が必要であり, いくつかのピットフォールや手技の工夫を認識しておく必要がある. 今回われわ...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 43; no. 4; pp. 275 - 282
Main Authors 中尾, 直之, 廣鰭, 洋子, 鐵尾, 佳章, 西山, 弘一, 武本, 英樹, 松本, 博之, 増尾, 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2015
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.43.275

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Summary:「はじめに」直径3mm以下の微小脳動脈瘤は, 過去の文献においてはvery small aneurysmやtiny aneurysmと表現され, 術中破裂の危険性が一般の脳動脈瘤に比べて高く, 手技的にも難易度が高いとされている. 近年, 脳血管撮影装置による3Dイメージングの技術が進歩し, きわめて小径かつ柔軟なコイルが開発され, 微小脳動脈瘤に対しても比較的安全にコイル塞栓術が施行できるようになり, 治療成績が向上しつつある. しかしながら, 微小脳動脈瘤に対してコイル塞栓術を行うには, 熟練した手技が必要であり, いくつかのピットフォールや手技の工夫を認識しておく必要がある. 今回われわれは, 過去に治療された直径3mm以下の微小脳動脈瘤のデータを解析することで, 治療成績の現状および手技においてわれわれが注意している点について述べる. 「対象」GDC導入後の1998年1月から2013年12月までに当院および関連施設でコイル塞栓術を行った脳動脈瘤588個のうち, 直径3mm以下の脳動脈瘤は45症例, 48個(8.1%)である.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.43.275