P1-2，P-comを巻き込んだ破裂解離性動脈瘤に対して，開頭術と血管内治療を利用し良好な転帰が得られた1例

「はじめに」 後大脳動脈(posterior cerebral artery : PCA)瘤は紡錘状動脈瘤が多く, 外科治療や瘤内塞栓術が困難な症例が多い. 今回, くも膜下出血にて発症したPCA, 後交通動脈(posterior communicating artery : P-com)を巻き込んだ解離性動脈瘤に対して開頭術と血管内治療を行い, 良好な転帰を得た1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 37歳, 女性. 既往歴・家族歴 : 特記事項なし. 現病歴 : 3日前からの頭痛が改善しないため受診された. 来院時所見 : 血圧127/70mmHg, 意識レベルGlasgow C...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 48; no. 5; pp. 365 - 369
Main Authors 越阪部, 学, 金澤, 隆三郎, 吉原, 智之, 内田, 貴範, 東田, 哲博, 新井, 直幸, 高橋, 祐一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2020
日本脳卒中の外科学会
Subjects
collaborative treatment
dissecting aneurysm
parent artery occlusion
posterior cerebral artery
STA-PCA bypass
Online AccessGet full text

Cover

More Information
Summary:「はじめに」 後大脳動脈(posterior cerebral artery : PCA)瘤は紡錘状動脈瘤が多く, 外科治療や瘤内塞栓術が困難な症例が多い. 今回, くも膜下出血にて発症したPCA, 後交通動脈(posterior communicating artery : P-com)を巻き込んだ解離性動脈瘤に対して開頭術と血管内治療を行い, 良好な転帰を得た1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 37歳, 女性. 既往歴・家族歴 : 特記事項なし. 現病歴 : 3日前からの頭痛が改善しないため受診された. 来院時所見 : 血圧127/70mmHg, 意識レベルGlasgow Coma Scale(GCS)14(E3V5M6), 強い頭痛を認めた. その他, 明らかな神経脱落症状を認めなかった. 検査所見 : 頭部CTでFisher group 2のくも膜下出血を認めた. CT angiography(CTA)では, 右P-com, 右PCA P1-2 junctionをinvolveするように解離性動脈瘤を認めた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.48.365