硬膜動静脈瘻治療における外科治療の役割

「はじめに」硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula:dAVF)は, 典型的には硬膜動脈と硬膜静脈洞ないし皮質の静脈への病的な短絡を有する状態である. 耳鳴などの軽微な症状のみで経過することもあるが, 特に流出静脈が硬膜内へ逆流する皮質静脈逆流(cortical venous reflux:CVR)を呈する場合に出血や皮質症状を生じやすく, 治療が必要となる. 治療方法としては, 血管内治療, 外科的治療, 定位放射線照射があり, さまざまな要素を検討し, 最適な方法が選択される. わが国における本疾患の発生頻度は10万人あたり年間0.29人といわれ, 比較的まれな...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 48; no. 6; pp. 420 - 426
Main Authors 秋山, 武和, 秋山, 武紀, 高橋, 里史, 吉田, 一成, 堀口, 崇, 大平, 貴之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2020
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.48.420

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Summary:「はじめに」硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula:dAVF)は, 典型的には硬膜動脈と硬膜静脈洞ないし皮質の静脈への病的な短絡を有する状態である. 耳鳴などの軽微な症状のみで経過することもあるが, 特に流出静脈が硬膜内へ逆流する皮質静脈逆流(cortical venous reflux:CVR)を呈する場合に出血や皮質症状を生じやすく, 治療が必要となる. 治療方法としては, 血管内治療, 外科的治療, 定位放射線照射があり, さまざまな要素を検討し, 最適な方法が選択される. わが国における本疾患の発生頻度は10万人あたり年間0.29人といわれ, 比較的まれな疾患であり, 多くが血管内治療で対応されるため, 外科的治療が行われる頻度は少ない.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.48.420