非もやもや病小児脳梗塞・脳虚血症例の治療におけるチーム医療の重要性

「はじめに」非もやもや病小児脳梗塞はまれであり, 病態把握や治療に苦慮することが多い. 本論文では2014年から2015年にかけて経験し, 教訓的であった4症例について報告し, 治療上の特殊性・問題点を検討する. 「症例」〈症例1〉9歳, 女児. 既往歴・家族歴ともに特記事項なし. 登校中, 左片麻痺で発症し, 右内包後脚脳梗塞と診断された. 精査にても, 明らかな原因は不詳であった. 穿通枝領域における微小血栓が原因と推測し, aspirinを内服させ, 24カ月再発なく外来加療中であるが, 残存する明らかな神経脱落症状は認めない.〈症例2〉13歳, 男児. けいれん発作, 意識障害, 左片...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 45; no. 6; pp. 476 - 482
Main Authors 菱川, 朋人, 塚原, 紘平, 亀田, 雅博, 杉生, 憲志, 野坂, 宜之, 平松, 匡文, 伊達, 勲, 安原, 隆雄, 八代, 将登, 林, 裕美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2017
日本脳卒中の外科学会
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Summary:「はじめに」非もやもや病小児脳梗塞はまれであり, 病態把握や治療に苦慮することが多い. 本論文では2014年から2015年にかけて経験し, 教訓的であった4症例について報告し, 治療上の特殊性・問題点を検討する. 「症例」〈症例1〉9歳, 女児. 既往歴・家族歴ともに特記事項なし. 登校中, 左片麻痺で発症し, 右内包後脚脳梗塞と診断された. 精査にても, 明らかな原因は不詳であった. 穿通枝領域における微小血栓が原因と推測し, aspirinを内服させ, 24カ月再発なく外来加療中であるが, 残存する明らかな神経脱落症状は認めない.〈症例2〉13歳, 男児. けいれん発作, 意識障害, 左片麻痺で近医に救急搬送された. 発症当日のMRIで右内頚動脈閉塞, 左内頚動脈・腎動脈狭窄を認めた. 37℃台の発熱と血沈 (1時間 : 94mm) およびC-reactive protein (CRP) (2.2mg/dl) の上昇を認め, 動脈炎としてsteroidとheparin, aspirinを用いた加療が開始され, 第3病日当院に搬送された.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.45.476