後期高齢者のくも膜下出血における転帰規定因子

「背景」近年, 多くの先進国が社会の高齢化に直面している. 本邦においても, 65歳以上の人口が占める割合は2013年の時点で25%を超えており, 世界的にも突出した「超高齢社会」とカテゴライズされている. 特に当施設がある山口県は, 2014年の時点で高齢化率が31.3%であり, 「高齢化先進県」ともいえる地域である. この社会の高齢化に伴い, 実際に高齢者のくも膜下出血症例は増加している. 高齢者のくも膜下出血は一般に重症例が多く, 臨床上問題となる他疾患をもつ場合も多い. しかしながら, 実際外科的介入を行わなかった場合は高いmortalityの報告がある. 近年の血管内治療の普及もあり...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 45; no. 6; pp. 439 - 444
Main Authors 清平, 美和, 五島, 久陽, 篠山, 瑞也, 鈴木, 倫保, 石原, 秀行, 野村, 貞宏, 岡, 史朗, 貞廣, 浩和, 白尾, 敏之, 末廣, 栄一, 杉本, 至健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2017
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.45.439

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Summary:「背景」近年, 多くの先進国が社会の高齢化に直面している. 本邦においても, 65歳以上の人口が占める割合は2013年の時点で25%を超えており, 世界的にも突出した「超高齢社会」とカテゴライズされている. 特に当施設がある山口県は, 2014年の時点で高齢化率が31.3%であり, 「高齢化先進県」ともいえる地域である. この社会の高齢化に伴い, 実際に高齢者のくも膜下出血症例は増加している. 高齢者のくも膜下出血は一般に重症例が多く, 臨床上問題となる他疾患をもつ場合も多い. しかしながら, 実際外科的介入を行わなかった場合は高いmortalityの報告がある. 近年の血管内治療の普及もあり, 高齢者に対しても治療の機会が増えている. また, 同時に直達手術の成績向上もいわれており, 高齢者くも膜下出血症例に対する適応も広がりつつある. これまで, 高齢者くも膜下出血患者における転帰規定因子の報告は散見されるが, 実際には明確な指針はなく, 各施設で独自の基準をつくり, 高齢者くも膜下出血患者に対応しているのが現状だと考えられる.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.45.439