コイル塞栓術を第一選択とした場合の破裂脳動脈瘤の治療成績と限界

「はじめに」破裂脳動脈瘤に対しては, 従来再出血が多いとされる発症6時間以降に脳血管撮影を行ったのち, 開頭ネッククリッピング術を中心とした根治手術が行われてきた. 一方, 近年は周術期, 特に術前の管理に全身麻酔, 種々のモニタリングを行い, 厳重な血圧管理, 再破裂予防ができるようになり, 早期診断・治療が可能になってきている. また治療方法においても開頭ネッククリッピング術だけでなく, コイル塞栓術も積極的に行えるようになってきた. 当院では, 2002年のInternational Subarachnoid Aneurysm Trial(ISAT)の報告や脳血管内治療専門医・指導医が1...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 40; no. 5; pp. 337 - 342
Main Authors 中井, 康雄, 津浦, 光晴, 平山, 勝久, 宮武, 伸行, 垣下, 浩二, 越道, 慎一郎, 中, 大輔, 石原, 隆史, 津本, 智幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2012
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.40.337

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Summary:「はじめに」破裂脳動脈瘤に対しては, 従来再出血が多いとされる発症6時間以降に脳血管撮影を行ったのち, 開頭ネッククリッピング術を中心とした根治手術が行われてきた. 一方, 近年は周術期, 特に術前の管理に全身麻酔, 種々のモニタリングを行い, 厳重な血圧管理, 再破裂予防ができるようになり, 早期診断・治療が可能になってきている. また治療方法においても開頭ネッククリッピング術だけでなく, コイル塞栓術も積極的に行えるようになってきた. 当院では, 2002年のInternational Subarachnoid Aneurysm Trial(ISAT)の報告や脳血管内治療専門医・指導医が1人から3人に充実したことにより, 従来は開頭ネッククリッピング術を第一選択に位置づけていたが, 2008年4月以降は動脈瘤の大きさ, 形状で治療方法を決定し, 脳神経血管内治療医がコイル塞栓術を行えると判断すれば, 積極的にコイル塞栓術を行うようになった6).
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.40.337