脳幹へのmass effectを有する部分血栓化巨大脳動脈瘤に対する頚部clippingおよび瘤内血栓除去術の治療成績
「はじめに」一般的に, 部分血栓化巨大脳動脈瘤の自然歴は不良であるが, 特に脳幹へのmass effectを有するものは, 神経症状が不可逆的に進行して致死的になる症例も多い. しかし, その外科的治療は, 一般的に困難であることが知られている. 今回われわれは脳幹を強く圧迫し, 迅速な減圧が必要な部分血栓化巨大脳動脈瘤に対する外科治療について検討したので報告する. 「方法」2011年から2015年までの5年間に当科で治療された脳動脈瘤直達術連続799例のうち, 脳幹への強いmass effectを有し, 迅速な減圧が必要と判断された部分血栓化巨大脳動脈瘤4例 (0.5%) を対象とし, re...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 45; no. 6; pp. 458 - 463 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2017
日本脳卒中の外科学会 |
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Summary: | 「はじめに」一般的に, 部分血栓化巨大脳動脈瘤の自然歴は不良であるが, 特に脳幹へのmass effectを有するものは, 神経症状が不可逆的に進行して致死的になる症例も多い. しかし, その外科的治療は, 一般的に困難であることが知られている. 今回われわれは脳幹を強く圧迫し, 迅速な減圧が必要な部分血栓化巨大脳動脈瘤に対する外科治療について検討したので報告する. 「方法」2011年から2015年までの5年間に当科で治療された脳動脈瘤直達術連続799例のうち, 脳幹への強いmass effectを有し, 迅速な減圧が必要と判断された部分血栓化巨大脳動脈瘤4例 (0.5%) を対象とし, retrospectiveに術式, 画像所見, 臨床経過を検討した. 4例中3例は症候性未破裂瘤, 1例は破裂脳動脈瘤のコイル塞栓術後の再増大症例であり, 全例で動脈瘤の増大による進行性の神経症状を呈していた. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.45.458 |