開頭に工夫を要した中硬膜動脈由来眼動脈を伴った多発性前方循環脳動脈瘤の1例

「はじめに」 通常の内頚動脈より起始する眼動脈が欠損し, 中硬膜動脈(middle meningeal artery: MMA)から眼動脈が起始する破格はまれだが, 不用意な前頭側頭開頭術により同側の視力障害を合併する危険がある. 近年, 脳動脈瘤の術前評価にdigital subtraction angiography (DSA)のリスクを避け, 3-dimensional computed tomographic angiography (3D-CTA)のみで開頭術を施行することがあるが, 3D-CTAやmagnetic resonance angiography (MRA)は簡便かつ低侵...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 44; no. 5; pp. 381 - 384
Main Authors 石垣, 共基, 当麻, 直樹, 清水, 重利, 宮, 史卓, 佐藤, 裕, 西川, 拓文, 谷岡, 悟, 中塚, 慶徳, 鈴木, 秀謙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2016
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.44.381

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Summary:「はじめに」 通常の内頚動脈より起始する眼動脈が欠損し, 中硬膜動脈(middle meningeal artery: MMA)から眼動脈が起始する破格はまれだが, 不用意な前頭側頭開頭術により同側の視力障害を合併する危険がある. 近年, 脳動脈瘤の術前評価にdigital subtraction angiography (DSA)のリスクを避け, 3-dimensional computed tomographic angiography (3D-CTA)のみで開頭術を施行することがあるが, 3D-CTAやmagnetic resonance angiography (MRA)は簡便かつ低侵襲で脳動脈瘤の診断には有用だが, このような脳動脈の破格を見逃してしまう危険があり, また診断できたとしても詳細な評価は不可能である. 今回, われわれは 3-dimensional rotational angiography (3D-RA)で眼動脈を分岐するMMAの走行を詳細に評価し, その損傷を回避し, 傍前床突起部内頚動脈瘤を含む多発性脳動脈瘤に対し, 開頭クリッピング術を施行した1例を経験したので, 術前画像評価における3D-RAの有用性と開頭術の工夫について報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.44.381