脳出血におけるてんかん発作の危険因子

「はじめに」 脳出血に合併するてんかん発作は, 大脳皮質を含む出血例に多く, 4-16%の発生率と報告されている. 脳卒中治療ガイドライン2015年版では, 脳出血の慢性期治療として, 手術例以外では抗てんかん薬の予防的使用は根拠がないので勧められないと記載されている. しかしながら, 実際に脳出血の手術治療とてんかん発症について検討した報告は少ない. 今回, 脳出血後のてんかん発作に関与する影響を出血部位別に検討し, さらに血腫除去術が発作の危険因子になり得るか否か検討を行った. また, 脳出血発症からてんかん発作初発までの時間により早期発作と晩期発作に分け, おのおのの違いについても検討を...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 46; no. 3; pp. 200 - 204
Main Authors 大友, 智, 荒井, 啓晶, 冨永, 悌二, 下田, 由輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2018
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.46.200

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Summary:「はじめに」 脳出血に合併するてんかん発作は, 大脳皮質を含む出血例に多く, 4-16%の発生率と報告されている. 脳卒中治療ガイドライン2015年版では, 脳出血の慢性期治療として, 手術例以外では抗てんかん薬の予防的使用は根拠がないので勧められないと記載されている. しかしながら, 実際に脳出血の手術治療とてんかん発症について検討した報告は少ない. 今回, 脳出血後のてんかん発作に関与する影響を出血部位別に検討し, さらに血腫除去術が発作の危険因子になり得るか否か検討を行った. また, 脳出血発症からてんかん発作初発までの時間により早期発作と晩期発作に分け, おのおのの違いについても検討を行った. 「対象・方法」 当院脳神経外科で急性期治療を行った成人の非外傷性脳出血例を対象とした. 脳動静脈奇形や海綿状血管腫などの血管奇形による出血例, 出血性梗塞例, 腫瘍内出血例は対象から除外した. また, 当院退院時点で死亡した症例も除外した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.46.200