CD34陽性細胞測定における施設間差の検討
末梢血幹細胞移植において,採取物のCD34陽性細胞数を正確に測定することが必須であるが,その方法は国内では標準化されておらず,施設間差の存在が懸念される.そこで我々は,末梢血幹細胞採取物検体をCD34陽性細胞数測定に熟練した東京都内5施設に搬送し,採取当日に測定した全6施設の結果を比較した.CV(coefficient of variation)は25%以内と比較的低く,高い相関が認められたが,特に1施設の測定値は有意に低かった.国際的に標準的な測定法とされるISHAGE-Single platform法をおこなっているか否かによる差は明らかではなかったが,常に低い値を示した施設は検体調整に問...
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Published in | 日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 62; no. 1; pp. 32 - 40 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
2016
日本輸血・細胞治療学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1881-3011 1883-0625 |
DOI | 10.3925/jjtc.62.32 |
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Summary: | 末梢血幹細胞移植において,採取物のCD34陽性細胞数を正確に測定することが必須であるが,その方法は国内では標準化されておらず,施設間差の存在が懸念される.そこで我々は,末梢血幹細胞採取物検体をCD34陽性細胞数測定に熟練した東京都内5施設に搬送し,採取当日に測定した全6施設の結果を比較した.CV(coefficient of variation)は25%以内と比較的低く,高い相関が認められたが,特に1施設の測定値は有意に低かった.国際的に標準的な測定法とされるISHAGE-Single platform法をおこなっているか否かによる差は明らかではなかったが,常に低い値を示した施設は検体調整に問題があると考えられた.CD34陽性細胞測定に熟練していても,客観的な評価が必要で,検体調整法を含めた測定法の標準化と外部精度評価が重要であることがあらためて示された. |
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ISSN: | 1881-3011 1883-0625 |
DOI: | 10.3925/jjtc.62.32 |