無症候性未破裂脳動脈瘤クリッピング術後の中長期的予後 ─血管造影所見

「はじめに」破裂脳動脈瘤に対するクリッピング術は, 長期的にみれば少数ながら治療部位からの再増大を呈し, これがくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage:SAH)の再発の出血源となるものが存在することが報告されているものの, 長期の再出血防止効果をもつことは周知の事実である. 一方, 未破裂脳動脈瘤については, その多くを占める小型のものの自然経過における破裂率が低く, 治療効果の評価には相当の長期にわたるフォローを要すると思われる. 予防的治療を施した未破裂脳動脈瘤の中長期的なSAH発症リスクについての報告は散見されるが, クリップにて閉塞した動脈瘤の形態学的な中長期予後...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 49; no. 3; pp. 186 - 190
Main Authors 角, 拓真, 菊地, 慈, 河本, 俊介, 金, 彪, 深谷, 春介, 安部, 欣博, 奥貫, かなえ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2021
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.49.186

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Summary:「はじめに」破裂脳動脈瘤に対するクリッピング術は, 長期的にみれば少数ながら治療部位からの再増大を呈し, これがくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage:SAH)の再発の出血源となるものが存在することが報告されているものの, 長期の再出血防止効果をもつことは周知の事実である. 一方, 未破裂脳動脈瘤については, その多くを占める小型のものの自然経過における破裂率が低く, 治療効果の評価には相当の長期にわたるフォローを要すると思われる. 予防的治療を施した未破裂脳動脈瘤の中長期的なSAH発症リスクについての報告は散見されるが, クリップにて閉塞した動脈瘤の形態学的な中長期予後についてはまだ不明な点が多い. 今回われわれは, 当施設でクリッピング術を行った無症候性未破裂脳動脈瘤の連続例について中長期的な形態学的評価を行ったので, その結果を報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.49.186