くも膜剝離に重点をおいた脳動脈瘤手術の注意点

「はじめに」 脳動脈瘤手術に対するanterior temporal approachやanterior interhemispheric approachなどに代表されるtrans-cisternal approachの有用性は, 以前から報告されてきたとおりである. そのアプローチの成功の鍵は, くも膜のみを丹念に剥離し, 動脈ならびに静脈を完全に温存しながら脳裂を広く開放することである. 多くの症例で安全に手術が行われているが, 支持組織としてのくも膜が広範に喪失されることにより, 合併症を呈する症例がなかには存在する. 今回, 当院で施行したtrans-cisternal approa...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 42; no. 3; pp. 171 - 176
Main Authors 勝野, 亮, 川崎, 和凡, 上森, 元気, 泉, 直人, 橋本, 政明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2014
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.42.171

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Summary:「はじめに」 脳動脈瘤手術に対するanterior temporal approachやanterior interhemispheric approachなどに代表されるtrans-cisternal approachの有用性は, 以前から報告されてきたとおりである. そのアプローチの成功の鍵は, くも膜のみを丹念に剥離し, 動脈ならびに静脈を完全に温存しながら脳裂を広く開放することである. 多くの症例で安全に手術が行われているが, 支持組織としてのくも膜が広範に喪失されることにより, 合併症を呈する症例がなかには存在する. 今回, 当院で施行したtrans-cisternal approachを対象に有害事象をきたした症例を検討する. 「対象」 2012年4月から2013年8月までに当院で施行した同一術者による十分なくも膜剥離を行った脳動脈瘤に対するtrans-cisternal approach(anterior temporal approachを含むtranssylvian approachとanterior interhemispheric approach)の連続45例を対象にした.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.42.171