急性内頚動脈閉塞症に対する血管内治療の成績
「はじめに」 急性期内頚動脈閉塞は一般に症状が重篤で予後が悪く, 組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)による経静脈的血栓溶解療法が超急性期に施行されるようになった現在でも, その内科的治療の成績は悪く満足できるものではない10)13). 急性期内頚動脈閉塞症においては血管径が大きく, 閉塞している血栓の量が多いと考えられる. したがって自然経過やtPAの静注療法では再開通は困難で重篤な神経症状を残す, あるいは死亡する症例が多いと思われる. 近年, 血管内治療の器具と手技の進歩に伴い, tPAの静脈内投与の適応外症例やtPA投与にもかかわらず, 神経症状の改善のない症例には機械的血栓破...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 41; no. 6; pp. 428 - 434 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2013
日本脳卒中の外科学会 |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.41.428 |
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Summary: | 「はじめに」 急性期内頚動脈閉塞は一般に症状が重篤で予後が悪く, 組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)による経静脈的血栓溶解療法が超急性期に施行されるようになった現在でも, その内科的治療の成績は悪く満足できるものではない10)13). 急性期内頚動脈閉塞症においては血管径が大きく, 閉塞している血栓の量が多いと考えられる. したがって自然経過やtPAの静注療法では再開通は困難で重篤な神経症状を残す, あるいは死亡する症例が多いと思われる. 近年, 血管内治療の器具と手技の進歩に伴い, tPAの静脈内投与の適応外症例やtPA投与にもかかわらず, 神経症状の改善のない症例には機械的血栓破砕を中心とした血管内治療が行われるようになってきている11)12). 今回, われわれは過去に経験した急性期(発症後12時間以内)に血管内治療を施行した内頚動脈閉塞症例10例において, その治療成績と問題点について検討したので報告する. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.41.428 |