内頚動脈─遺残原始三叉動脈分岐部の未破裂脳動脈瘤に対してコイル塞栓術を施行した1例

「はじめに」 原始三叉動脈(primitive trigeminal artery : PTA)は胎生期の原始血管吻合のうち最大のものであり, その遺残は0.1-0.2%の頻度でみられるとされる. PTAと動脈瘤の合併については従来散発的に報告されてきたものの, その治療や長期的フォローに関するまとまった報告はみられないのが現状である. 今回われわれは内頚動脈(IC)と遺残原始三叉動脈(persistent primitive trigeminal artery : PPTA)の分岐部にできた未破裂脳動脈瘤に対しコイル塞栓術施行し, 術後1年超の経過で脳血管撮影検査のフォローを行った症例を経験...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 42; no. 3; pp. 218 - 223
Main Authors 小泉, 聡, 吉河, 学史, 庄島, 正明, 藤本, 蒼, 岡野, 淳, 河島, 真理子, 島田, 志行, 堤, 一生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2014
日本脳卒中の外科学会
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Summary:「はじめに」 原始三叉動脈(primitive trigeminal artery : PTA)は胎生期の原始血管吻合のうち最大のものであり, その遺残は0.1-0.2%の頻度でみられるとされる. PTAと動脈瘤の合併については従来散発的に報告されてきたものの, その治療や長期的フォローに関するまとまった報告はみられないのが現状である. 今回われわれは内頚動脈(IC)と遺残原始三叉動脈(persistent primitive trigeminal artery : PPTA)の分岐部にできた未破裂脳動脈瘤に対しコイル塞栓術施行し, 術後1年超の経過で脳血管撮影検査のフォローを行った症例を経験した. 従来報告例のまとめとともに報告する. 「症例」 患者 : 67歳男性. 既往歴 : 喫煙歴の他には特記事項なし. 家族歴 : くも膜下出血の家族歴なし. 現病歴 : 他院で施行したMRAにて偶然指摘された右IC-PPTA分岐部の未破裂脳動脈瘤に対して当科外来で3年間定期的なフォローアップ行っていたが, 経時的な増大傾向を認めたためにコイル塞栓術を施行する方針となった.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.42.218