関節リウマチに合併した非定型抗酸菌感染による手関節腱鞘滑膜炎の1例
「緒言」非定型抗酸菌症は結核菌群を除いた培養可能な抗酸菌群を一括した総称であり, 自然界に広く存在する弱毒菌である. そのほとんどが肺疾患であり, 皮膚, 骨関節, 全身播種型感染症などは比較的少ない1. 今回われわれは, 関節リウマチ(以下RA)に合併した非定型抗酸菌感染による手関節腱鞘滑膜炎の1例を経験したので報告する. 「症例供覧」「1)患者背景」症例は67歳の女性で, RAの患者である. 2005年1月11日当科受診しRAと診断され, 定期的に当科通院中であった. 既往歴に特記事項はない. RAに対して, Predonisolone 5mg/day, Methotrexate 6mg/...
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Published in | 日本医科大学医学会雑誌 Vol. 5; no. 3; pp. 172 - 175 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2009
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Summary: | 「緒言」非定型抗酸菌症は結核菌群を除いた培養可能な抗酸菌群を一括した総称であり, 自然界に広く存在する弱毒菌である. そのほとんどが肺疾患であり, 皮膚, 骨関節, 全身播種型感染症などは比較的少ない1. 今回われわれは, 関節リウマチ(以下RA)に合併した非定型抗酸菌感染による手関節腱鞘滑膜炎の1例を経験したので報告する. 「症例供覧」「1)患者背景」症例は67歳の女性で, RAの患者である. 2005年1月11日当科受診しRAと診断され, 定期的に当科通院中であった. 既往歴に特記事項はない. RAに対して, Predonisolone 5mg/day, Methotrexate 6mg/week, Salazosulfapyridine 1.000mg/dayによる薬物治療を行っていた. Steinbrocker分類(Stage II Class II). 「2)現病歴」2006年6月頃より右手関節掌側に腫脹を認めた. 徐々に腫脹は増悪し, 同年9月頃から正中神経領域にしびれを認めたため, 右手関節腱鞘滑膜切除術目的で当科入院となった. |
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ISSN: | 1349-8975 1880-2877 |
DOI: | 10.1272/manms.5.172 |