脳室内鋳型血腫に対する硬性および軟性内視鏡を併用した血腫除去術

「はじめに」脳出血やくも膜下出血に伴う脳室内鋳型血腫に対する内視鏡下血腫除去術は, 超急性期の頭蓋内圧管理やドレナージ期間を短縮させ, 結果的に予後の改善を導くとして, その有効性が報告されている. しかし, 内視鏡手術のタイミング・血腫の局在・既往症・抗血栓薬投与中などさまざまな条件により血腫の硬さが異なり, 期待通りの血腫除去率が得られないことがある. 神経内視鏡手術では硬性鏡と軟性鏡が病態・環境に応じて使い分けがされるが, 脳室内鋳型血腫おいても, 場面ごとにそれらを使い分けることが安全に血腫除去率を高める有効手段の1つと考えている. 今回, 硬性鏡および軟性鏡それぞれの長所・短所を踏ま...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 48; no. 6; pp. 427 - 433
Main Authors 豊岡, 輝繁, 竹内, 誠, 富山, 新太, 景山, 寛志, 都築, 伸介, 大谷, 直樹, 和田, 孝次郎, 森, 健太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2020
日本脳卒中の外科学会
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Summary:「はじめに」脳出血やくも膜下出血に伴う脳室内鋳型血腫に対する内視鏡下血腫除去術は, 超急性期の頭蓋内圧管理やドレナージ期間を短縮させ, 結果的に予後の改善を導くとして, その有効性が報告されている. しかし, 内視鏡手術のタイミング・血腫の局在・既往症・抗血栓薬投与中などさまざまな条件により血腫の硬さが異なり, 期待通りの血腫除去率が得られないことがある. 神経内視鏡手術では硬性鏡と軟性鏡が病態・環境に応じて使い分けがされるが, 脳室内鋳型血腫おいても, 場面ごとにそれらを使い分けることが安全に血腫除去率を高める有効手段の1つと考えている. 今回, 硬性鏡および軟性鏡それぞれの長所・短所を踏まえて同一症例内でdry fieldとwet fieldを適宜切り替えながら行った, 脳室内鋳型血腫の除去手術の効果について検討した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.48.427