腹壁瘢痕ヘルニア術後にToxic Shock Syndrome を発症した1 例
症例は54歳,BMI 32.6kg/m2の男性で,S 状結腸癌に対する開腹S 状結腸切除術1 年半後に発症した腹壁瘢痕ヘルニアに対し,Component Separation 法を施行した。術後皮下出血を合併したが保存的に軽快,皮下ドレーン挿入のまま9 日目に退院した。退院3 日後に高熱,下痢,傾眠傾向,腎機能障害で緊急入院。入院時ショック状態で,CT で皮下に液体貯留を認めドレナージを施行した。排液の塗抹所見でブドウ球菌(MRSA,TSST─1陽性)を認め,皮下貯留液への感染に伴うToxic Shock Syndrome と診断した。Van comy cin,Clindamycin,γグロブ...
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Published in | 日本農村医学会雑誌 Vol. 66; no. 1; pp. 65 - 71 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
31.05.2017
日本農村医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0468-2513 1349-7421 |
DOI | 10.2185/jjrm.66.65 |
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Summary: | 症例は54歳,BMI 32.6kg/m2の男性で,S 状結腸癌に対する開腹S 状結腸切除術1 年半後に発症した腹壁瘢痕ヘルニアに対し,Component Separation 法を施行した。術後皮下出血を合併したが保存的に軽快,皮下ドレーン挿入のまま9 日目に退院した。退院3 日後に高熱,下痢,傾眠傾向,腎機能障害で緊急入院。入院時ショック状態で,CT で皮下に液体貯留を認めドレナージを施行した。排液の塗抹所見でブドウ球菌(MRSA,TSST─1陽性)を認め,皮下貯留液への感染に伴うToxic Shock Syndrome と診断した。Van comy cin,Clindamycin,γグロブリン製剤の投与等を行ない集中治療管理とし全身状態が改善,24日目に軽快退院した。 |
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ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
DOI: | 10.2185/jjrm.66.65 |