超肥満患者のくも膜下出血の周術期管理

「はじめに」肥満とは, 脂肪が体内に過剰に蓄積した状態と定義される5)が, 食生活の欧米化に伴い, body mass index (BMI)>25の肥満患者数は増加しつつある. 今回くも膜下出血(SAH)をきたした推定体重240kg(BMI 88)の高度肥満患者を治療する機会を得たので, 特にその周術期管理について報告する. 「症例」患者:30歳, 男性. 既往歴:学童期から肥満を指摘されていたが, 加療歴なし. 家族歴:祖父がSAH. 現病歴:外出中の18時頃に突然の頭痛で発症し, 自家用車で近医を受診した. CTでSAHと診断されたが, 高度肥満で検査や治療が困難との理由で22時30分に...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 40; no. 3; pp. 198 - 201
Main Authors 佐久間, 潤, 松本, 由香, 織田, 惠子, 伊藤, 英治, 市川, 優, 佐藤, 拓, 渡邉, 督, 齋藤, 清, 箱崎, 貴大, 井石, 雄三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2012
日本脳卒中の外科学会
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Summary:「はじめに」肥満とは, 脂肪が体内に過剰に蓄積した状態と定義される5)が, 食生活の欧米化に伴い, body mass index (BMI)>25の肥満患者数は増加しつつある. 今回くも膜下出血(SAH)をきたした推定体重240kg(BMI 88)の高度肥満患者を治療する機会を得たので, 特にその周術期管理について報告する. 「症例」患者:30歳, 男性. 既往歴:学童期から肥満を指摘されていたが, 加療歴なし. 家族歴:祖父がSAH. 現病歴:外出中の18時頃に突然の頭痛で発症し, 自家用車で近医を受診した. CTでSAHと診断されたが, 高度肥満で検査や治療が困難との理由で22時30分に当院に転送された. 入院時現症:JCS 0, GCS15 (E4V5M6). 頭痛以外の神経脱落症状を認めず, World Federation of Neurological Surgeons(WFNS)分類は grade I. 身長165cm, 体重は200kgまで測定できる体重計が振り切れ, 自己申告から約240kg, BMIは88と計算された.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.40.198