ケースプレゼンテーション論文における主訴・診断・術後評価の現状
目的:ケースプレゼンテーション論文記載要項はこの10年間,改定が行われ,論文の質の向上に貢献していると思われる.そこで,最新のケースプレゼンテーション論文において,どのような症例に対して,主訴,診断,術後評価が行われた記載があるか調査した.方法:日本口腔インプラント学会誌第34巻第3号(2021年9月発行)から第35巻第2号(2022年6月発行)に掲載されたケースプレゼンテーション論文77編について,主訴,診断,術後評価の記載状況を調査した.結果:主訴は咀嚼困難,腫脹・疼痛,補綴希望,インプラント希望と続いた.咀嚼困難のなかの4編は,「咀嚼障害」と記載されていた.診断は,欠損が多く,歯周炎,歯...
Saved in:
Published in | 日本口腔インプラント学会誌 Vol. 35; no. 4; pp. 321 - 324 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
31.12.2022
日本口腔インプラント学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-6695 2187-9117 |
DOI | 10.11237/jsoi.35.321 |
Cover
Summary: | 目的:ケースプレゼンテーション論文記載要項はこの10年間,改定が行われ,論文の質の向上に貢献していると思われる.そこで,最新のケースプレゼンテーション論文において,どのような症例に対して,主訴,診断,術後評価が行われた記載があるか調査した.方法:日本口腔インプラント学会誌第34巻第3号(2021年9月発行)から第35巻第2号(2022年6月発行)に掲載されたケースプレゼンテーション論文77編について,主訴,診断,術後評価の記載状況を調査した.結果:主訴は咀嚼困難,腫脹・疼痛,補綴希望,インプラント希望と続いた.咀嚼困難のなかの4編は,「咀嚼障害」と記載されていた.診断は,欠損が多く,歯周炎,歯根破折,う蝕と続いた.術後評価として,咀嚼,咬合,満足度,QOLについての記載は多くみられたが,機能検査や主観的評価は記載されていなかった.結論:いくつかの論文で,改善が可能であると思われる主訴(補綴希望,インプラント希望)と診断(欠損,咀嚼障害)が記載されていた.また,術前術後の機能評価の記述や検査のさらなる充実の必要性が示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0914-6695 2187-9117 |
DOI: | 10.11237/jsoi.35.321 |