心不全症状を伴う胸腔内巨大慢性拡張性血腫に対して硬膜外麻酔下血腫減量術を先行した二期分割手術の麻酔経験

胸腔内に発症した慢性拡張性血腫は拡張に伴い縦隔偏位をきたし,呼吸不全,心不全の症状を示す.しかし根治術時の全身麻酔や人工呼吸はそれらの症状をさらに悪化させる可能性がある.本症例は,37年前の右肺全摘術後に発生した右胸腔内巨大慢性拡張性血腫により右心系が高度に圧排され,心不全症状を呈していた.そこで硬膜外麻酔下に血腫減量術を先行し,右心系の圧排を解除した後に全身麻酔下に根治術を行うことで,循環破綻させることなく麻酔管理し得た....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 41; no. 1; pp. 36 - 41
Main Authors 小林, 求, 松岡, 義和, 五反田, 倫子, 松岡, 勇斗, 廣井, 一正, 森松, 博史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.01.2021
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.41.36

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Summary:胸腔内に発症した慢性拡張性血腫は拡張に伴い縦隔偏位をきたし,呼吸不全,心不全の症状を示す.しかし根治術時の全身麻酔や人工呼吸はそれらの症状をさらに悪化させる可能性がある.本症例は,37年前の右肺全摘術後に発生した右胸腔内巨大慢性拡張性血腫により右心系が高度に圧排され,心不全症状を呈していた.そこで硬膜外麻酔下に血腫減量術を先行し,右心系の圧排を解除した後に全身麻酔下に根治術を行うことで,循環破綻させることなく麻酔管理し得た.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.41.36