自家末梢血幹細胞採取におけるplerixafor併用幹細胞動員アルゴリズムの検証

背景自家末梢血幹細胞採取でのplerixafor(PLX)の適正使用のために,動員不良リスク症例で採取前日末梢血CD34陽性細胞(PBCD34+)数が20/μl未満の場合にPLXを投与するアルゴリズム(PLX-A)を導入した.方法PLX-A導入前25例,後31例での採取成功(1回目での採取CD34+数≧2×106/kg)率の差,導入後でのPBCD34+数測定・PLX投与と採取成功率の関連を後方視的に検証した.結果導入前より導入後の採取成功率が有意に高かった(48% vs 77%,p=0.03).PBCD34+数を測定した14例中,PLX投与9例,あり5例の採取成功率は100%,80%であったが...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 68; no. 6; pp. 557 - 564
Main Authors 山下, 香奈子, 石橋, 美由紀, 郡司, 匡弘, 石井, 謙一郎, 横山, 洋紀, 矢野, 真吾, 佐藤, 智彦, 齋藤, 健, 堀口, 新悟, 石井, 敬人, 田﨑, 哲典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 20.12.2022
日本輸血・細胞治療学会
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.68.557

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Summary:背景自家末梢血幹細胞採取でのplerixafor(PLX)の適正使用のために,動員不良リスク症例で採取前日末梢血CD34陽性細胞(PBCD34+)数が20/μl未満の場合にPLXを投与するアルゴリズム(PLX-A)を導入した.方法PLX-A導入前25例,後31例での採取成功(1回目での採取CD34+数≧2×106/kg)率の差,導入後でのPBCD34+数測定・PLX投与と採取成功率の関連を後方視的に検証した.結果導入前より導入後の採取成功率が有意に高かった(48% vs 77%,p=0.03).PBCD34+数を測定した14例中,PLX投与9例,あり5例の採取成功率は100%,80%であったが,PBCD34+数測定もPLX投与もなかった15例では60%であった.3例(9.7%)にPLX-Aが適用されなかったが,3例とも採取成功であった.考察PLX-Aは採取成功率の改善に有用であったが,導入後の採取不成功7例中6例でPBCD34+数測定がなく,動員不良リスクの過小評価の可能性が考えられた.今回の結果から,PLX-Aを改定する必要性が示唆された.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.68.557