耳鼻咽喉科頭頸部外科領域感染症における抗菌薬の適正使用の推進と新規抗菌薬開発

薬剤耐性菌の問題は, サイレントパンデミックと呼ばれている. 耳鼻咽喉科頭頸部外科は, 上気道疾患を扱う診療科であり, 感染症を取り巻くさまざまな現状に即した取り組みを行ってきた. 新型コロナウイルス感染症流行後の社会においても, 迅速かつ柔軟な感染症対策, 抗菌薬の適正使用への取り組みが重要である. しかし, 経口抗菌薬の新規開発は1990年代以降, 減少傾向にある. 新規抗菌薬の開発には, 1. 主要原因菌に対する有効性, 2. 既存抗菌薬に対し耐性を有する株に対する有効性, 3. インフルエンザ菌に対する有効性, 4. 耐性誘導しにくい性質, 5. 服薬コンプライアンスが容易なことが望ま...

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Published in日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 125; no. 11; pp. 1563 - 1569
Main Authors 河野, 正充, 保富, 宗城, 林, 達哉, 伊藤, 真人, 日本耳鼻咽喉科, 免疫アレルギー感染症学会 上気道感染症対策・ 抗菌薬適正使用検討委員会, 角田, 梨紗子, 櫛橋, 幸民, 原渕, 保明, 香山, 智佳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 20.11.2022
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
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ISSN2436-5793
2436-5866
DOI10.3950/jibiinkotokeibu.125.11_1563

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Summary:薬剤耐性菌の問題は, サイレントパンデミックと呼ばれている. 耳鼻咽喉科頭頸部外科は, 上気道疾患を扱う診療科であり, 感染症を取り巻くさまざまな現状に即した取り組みを行ってきた. 新型コロナウイルス感染症流行後の社会においても, 迅速かつ柔軟な感染症対策, 抗菌薬の適正使用への取り組みが重要である. しかし, 経口抗菌薬の新規開発は1990年代以降, 減少傾向にある. 新規抗菌薬の開発には, 1. 主要原因菌に対する有効性, 2. 既存抗菌薬に対し耐性を有する株に対する有効性, 3. インフルエンザ菌に対する有効性, 4. 耐性誘導しにくい性質, 5. 服薬コンプライアンスが容易なことが望まれている. 薬剤耐性菌に対する活動を推進する上で, 抗菌薬の適正使用と新規抗菌薬の開発は重要な課題であり, さらなる研究・薬剤開発・創薬活動が必要である.
ISSN:2436-5793
2436-5866
DOI:10.3950/jibiinkotokeibu.125.11_1563