COVID-19肺炎患者の炎症と栄養代謝動態の特徴に関する検討

【目的】COVID-19肺炎の炎症と栄養代謝動態の特徴を明らかにし, 治療的介入の可能性につき考察する. 【対象と方法】当院救急ICUにCOVID-19肺炎の診断で入室した患者28名につき, 炎症や栄養代謝に関する血液検査や間接熱量測定にて得られたデータを分析した. 【結果】COVID-19重症度の内訳は中等症18例, 重症10例であった. 重症は全例に挿管管理を要し4例にvv-ECMO管理を要した. 炎症データは重症で有意に高くリンパ球数が重症で有意に低下していた(p=0.005). 栄養代謝ではCONUT値およびPGC-1α濃度が重症で有意に高値であった(p=0.03, 0.003). 間...

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Published in外科と代謝・栄養 Vol. 57; no. 6; pp. 213 - 220
Main Authors 苛原隆之, 田邊すばる, Umme Salma, 尾崎将之, 梶田裕加, 櫻井圭祐, 寺島嗣明, 平山祐司, 大石大, 久下祐史, 加藤浩介, 石津啓介, 加藤領一, 津田雅庸, 渡邉栄三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 15.12.2023
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Summary:【目的】COVID-19肺炎の炎症と栄養代謝動態の特徴を明らかにし, 治療的介入の可能性につき考察する. 【対象と方法】当院救急ICUにCOVID-19肺炎の診断で入室した患者28名につき, 炎症や栄養代謝に関する血液検査や間接熱量測定にて得られたデータを分析した. 【結果】COVID-19重症度の内訳は中等症18例, 重症10例であった. 重症は全例に挿管管理を要し4例にvv-ECMO管理を要した. 炎症データは重症で有意に高くリンパ球数が重症で有意に低下していた(p=0.005). 栄養代謝ではCONUT値およびPGC-1α濃度が重症で有意に高値であった(p=0.03, 0.003). 間接熱量測定を行い得た5例では通常肺炎と比して脂質酸化量が低く呼吸商は高い傾向があった. 【結語】COVID-19肺炎では重症度に応じて高度炎症および免疫麻痺状態に陥っており, 栄養学的リスクも高いことが示唆された. また特有の栄養代謝動態の変化があり栄養療法において考慮すべきと思われた.
ISSN:0389-5564
DOI:10.11638/jssmn.57.6_213