ACNS Critical Care EEG terminology 2021を用いた神経救急脳波評価の実際

近年, 集中治療室での持続脳波モニタリングの普及により, 意識障害患者において非痙攣性てんかん重積状態の診断が重要視されている。アメリカ臨床神経生理学会 (ACNS) は, 2021年に最新の神経救急脳波用語 (ACNS2021) を発表し, 非痙攣性てんかん重積状態の診断基準を具体化した。この定義により, 脳波上の発作や脳波臨床発作などが明確に分類されるようになった。当院での経験でも, ACNS2021の定義は診断の具体性と明確さが確認でき, 早期診断と適切な治療に繋がると考えている。一方で, 評価者間の一致率や実臨床での適用における課題も指摘されており, 今後の研究と検証が必要である。救急...

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Published in臨床神経生理学 Vol. 52; no. 3; pp. 216 - 223
Main Authors 酒田, あゆみ, 山口, 高弘, 渡邉, 恵利子, 向野, 隆彦, 重藤, 寛史, 松本, 航
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床神経生理学会 01.06.2024
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ISSN1345-7101
2188-031X
DOI10.11422/jscn.52.216

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Summary:近年, 集中治療室での持続脳波モニタリングの普及により, 意識障害患者において非痙攣性てんかん重積状態の診断が重要視されている。アメリカ臨床神経生理学会 (ACNS) は, 2021年に最新の神経救急脳波用語 (ACNS2021) を発表し, 非痙攣性てんかん重積状態の診断基準を具体化した。この定義により, 脳波上の発作や脳波臨床発作などが明確に分類されるようになった。当院での経験でも, ACNS2021の定義は診断の具体性と明確さが確認でき, 早期診断と適切な治療に繋がると考えている。一方で, 評価者間の一致率や実臨床での適用における課題も指摘されており, 今後の研究と検証が必要である。救急現場ではACNS2021の用語が標準となりつつあり, 新しい定義を習熟していくことが重要である。
ISSN:1345-7101
2188-031X
DOI:10.11422/jscn.52.216