80歳以上の破裂脳動脈瘤の治療成績

「はじめに」 本邦の平均寿命の延長とともに, 80歳以上のくも膜下出血を治療する機会は急速に増加している. 高齢患者では, 治療が敬遠される場合も少なくないが, 同じ年齢であっても全身状態は症例ごとに異なっており, 年齢のみで治療方針を決定することは困難である. 高齢患者の治療成績はいまだ不良であるという報告4)と向上しているという報告2)があり, 一定していない. 手術手技, 術後管理, 補助的検査の進歩により, 現在では高齢者であっても開頭術を行う場合も見受けられる2). 一方, 低侵襲とされるコイル塞栓術の普及は高齢者くも膜下出血に対する治療の可能性を拡大させている. 当施設では, 高齢...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 42; no. 1; pp. 42 - 46
Main Authors 八木, 謙次, 多田, 恵曜, 兼松, 康久, 里見, 淳一郎, 松下, 展久, 山本, 伸昭, 永廣, 信治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2014
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.42.42

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Summary:「はじめに」 本邦の平均寿命の延長とともに, 80歳以上のくも膜下出血を治療する機会は急速に増加している. 高齢患者では, 治療が敬遠される場合も少なくないが, 同じ年齢であっても全身状態は症例ごとに異なっており, 年齢のみで治療方針を決定することは困難である. 高齢患者の治療成績はいまだ不良であるという報告4)と向上しているという報告2)があり, 一定していない. 手術手技, 術後管理, 補助的検査の進歩により, 現在では高齢者であっても開頭術を行う場合も見受けられる2). 一方, 低侵襲とされるコイル塞栓術の普及は高齢者くも膜下出血に対する治療の可能性を拡大させている. 当施設では, 高齢者破裂脳動脈瘤に対してはコイル塞栓術が可能であれば, 治療の第一選択とし, 形態学的理由によりコイル塞栓術が困難と判断された例, あるいはmass effectを伴った血腫を伴っている場合は開頭クリッピング術を行ってきた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.42.42