21世紀出生児縦断調査の概要:児の発育に影響を及ぼす要因

「緒言」わが国において, 国家的規模で行われている出生コホート研究には, 厚生労働省が行っている「21世紀出生児縦断調査」と環境省が行っている「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」とがある. 21世紀出生児縦断調査は, 一定期間に産まれた出生児全員を対象に, 毎年1回, 継続的に郵送法による質問紙調査を実施している. 開始年の異なる2種類の調査があり, いずれも3~4万人規模の調査である. 主に, 子どもの生活環境要因や社会経済要因を中心に, 記述疫学に力点を置いた調査である. 一方, エコチル調査は, 全国に15のユニットセンターを設置し, 環境測定や生体試料の採取を行う,...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 72; no. 1; pp. 15 - 19
Main Authors 伊藤, 善也, 瀧本, 秀美, 佐田, 文宏, 福岡, 秀興, 尾崎, 貴視, 吉池, 信男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本衛生学会 2017
日本衛生学会
Subjects
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ISSN0021-5082
1882-6482
DOI10.1265/jjh.72.15

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Summary:「緒言」わが国において, 国家的規模で行われている出生コホート研究には, 厚生労働省が行っている「21世紀出生児縦断調査」と環境省が行っている「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」とがある. 21世紀出生児縦断調査は, 一定期間に産まれた出生児全員を対象に, 毎年1回, 継続的に郵送法による質問紙調査を実施している. 開始年の異なる2種類の調査があり, いずれも3~4万人規模の調査である. 主に, 子どもの生活環境要因や社会経済要因を中心に, 記述疫学に力点を置いた調査である. 一方, エコチル調査は, 全国に15のユニットセンターを設置し, 環境測定や生体試料の採取を行う, 環境リスク評価を主眼とした調査である. このように目的は異なるが, いずれも全国規模の前向き出生コホート研究で, 研究成果は, わが国の健康政策に反映されることが期待される. 本稿では, 21世紀出生児縦断調査の概要と2次データ利用状況を概説する.
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.72.15