アフリカツメガエル初期胚を用いた遺伝子の機能解析
遺伝子の異常による疾患は数多く報告されているが, 原因遺伝子の機能解析をin vivoで行うには一般に多くの時間と労力が必要である. そこで, 遺伝子の機能解析を迅速に行うための1つのアプローチとして, われわれが行っているアフリカツメガエル初期胚を用いた遺伝子の機能解析法を紹介する. この実験動物では, 人工授精により得られた受精卵に, 合成したmRNAを注入することで(図1), 簡便に遺伝子の機能をin vivoで解析することができる. 注入後数日で表現型の異常を検出することが可能であり(図2, 3), さらに, 1度に大量の受精卵に注入することができるため, 得られるデータの信頼性も高い...
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Published in | 日本医科大学医学会雑誌 Vol. 5; no. 1; pp. 4 - 5 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2009
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ISSN | 1349-8975 1880-2877 |
DOI | 10.1272/manms.5.4 |
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Summary: | 遺伝子の異常による疾患は数多く報告されているが, 原因遺伝子の機能解析をin vivoで行うには一般に多くの時間と労力が必要である. そこで, 遺伝子の機能解析を迅速に行うための1つのアプローチとして, われわれが行っているアフリカツメガエル初期胚を用いた遺伝子の機能解析法を紹介する. この実験動物では, 人工授精により得られた受精卵に, 合成したmRNAを注入することで(図1), 簡便に遺伝子の機能をin vivoで解析することができる. 注入後数日で表現型の異常を検出することが可能であり(図2, 3), さらに, 1度に大量の受精卵に注入することができるため, 得られるデータの信頼性も高い. 消化管や血管など多くの器官での基本的な器官形成・維持の分子メカニズムは, 脊椎動物に共通して保存されていることが知られてきており, 本法はヒト疾患の原因究明のための解析法としても有用である. |
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ISSN: | 1349-8975 1880-2877 |
DOI: | 10.1272/manms.5.4 |