海綿静脈洞部内頚動脈瘤に対する治療戦略
「緒言」海綿静脈洞部内頚動脈瘤(cavernous carotid aneurysm:CCA)は, 頭蓋内動脈瘤のうち2-12%と報告されているが, 近年の非侵襲的頭蓋内画像検査の一般化により, 無症候性を含めて発見の機会が増加している. 一般的にCCAは, carotid caveより遠位の硬膜内脳動脈瘤と比較して大型化してから症候化する場合が多く, 動脈瘤のmass effectによる脳神経症状を呈する場合が多い. 巨大CCAを除き出血率は低く, 出血発症した場合も, くも膜下出血はまれで, 多くは頚動脈海綿静脈洞瘻(carotid artery-cavernous sinus fistu...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 44; no. 1; pp. 19 - 25 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2016
日本脳卒中の外科学会 |
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Summary: | 「緒言」海綿静脈洞部内頚動脈瘤(cavernous carotid aneurysm:CCA)は, 頭蓋内動脈瘤のうち2-12%と報告されているが, 近年の非侵襲的頭蓋内画像検査の一般化により, 無症候性を含めて発見の機会が増加している. 一般的にCCAは, carotid caveより遠位の硬膜内脳動脈瘤と比較して大型化してから症候化する場合が多く, 動脈瘤のmass effectによる脳神経症状を呈する場合が多い. 巨大CCAを除き出血率は低く, 出血発症した場合も, くも膜下出血はまれで, 多くは頚動脈海綿静脈洞瘻(carotid artery-cavernous sinus fistula:CCF)を発症する. つまり, 硬膜内脳動脈瘤と比較して, 致死的な, または重篤な神経症状を後遺する事態にいたる確率は低い. その特性から, 症候性病変に関しては積極的治療が勧められるが, 無症候例は基本的に経過観察でよいと考えられている. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.44.19 |