心電計の発明者アイントホーフェン医師の共同研究者だった同医師の子息が太平洋戦争下の東京で亡くなっていたことに関する考察

心電図を学ぶ者で, 「心電計の発明者」であり「アイントーベンの三角形」にも名を残しているオランダ人医師アイントホーフェンの名前を知らない方はいないと思う. アイントホーフェン医師は, 心電計の改良に関する重要な研究を子息とともに行っていた. ノーベル賞の受賞講演でも, 子息との共同研究について言及している. その共同研究者だった子息は数奇な運命をたどり, 東京で亡くなっている. 本稿はそのアイントホーフェン医師の子息に関する論考である. 心電計はオランダ人医師Willem Einthoven(1860-1927)が発明, 1903年に世界で初めて心電図記録に成功した. 本稿では, Willem...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心電図 Vol. 41; no. 1; pp. 30 - 39
Main Author 望月吉彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 26.02.2021
日本不整脈心電学会
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:心電図を学ぶ者で, 「心電計の発明者」であり「アイントーベンの三角形」にも名を残しているオランダ人医師アイントホーフェンの名前を知らない方はいないと思う. アイントホーフェン医師は, 心電計の改良に関する重要な研究を子息とともに行っていた. ノーベル賞の受賞講演でも, 子息との共同研究について言及している. その共同研究者だった子息は数奇な運命をたどり, 東京で亡くなっている. 本稿はそのアイントホーフェン医師の子息に関する論考である. 心電計はオランダ人医師Willem Einthoven(1860-1927)が発明, 1903年に世界で初めて心電図記録に成功した. 本稿では, Willem Einthovenは「ウィレム・アイントホーフェン」と記す(呼称については文末の注1および注2を参照). この心電図はオランダのライデンにある「ブールハーフェ博物館Museum Boerhaave」に展示されている. 同博物館を訪れた時に撮影した.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.41.30