Neck clippingが困難な血栓化/大型動脈瘤に対する治療
「はじめに」脳動脈瘤のうち, 巨大/血栓化動脈瘤は約5%と非常に少なく, その治療においては通常のネッククリッピングが困難であることも多い. このような特殊な動脈瘤に対する直達下手術での治療法は, 以下の3つに分けられる. (1)バイパスや血栓除去を用いてクリッピングを行う, (2)バイパス+近位血管閉塞, および, (3)バイパス+遠位血管閉塞. 後二者はいわゆるflow alterationと呼ばれる手法であり, バイパスを併用しながら瘤内の血流を減じ, 血栓化を誘導する方法である. 当院で施行したネッククリッピング困難な大型/血栓化動脈瘤に対する治療について, その方法と成績を供覧する....
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 44; no. 2; pp. 88 - 93 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2016
日本脳卒中の外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.44.88 |
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Summary: | 「はじめに」脳動脈瘤のうち, 巨大/血栓化動脈瘤は約5%と非常に少なく, その治療においては通常のネッククリッピングが困難であることも多い. このような特殊な動脈瘤に対する直達下手術での治療法は, 以下の3つに分けられる. (1)バイパスや血栓除去を用いてクリッピングを行う, (2)バイパス+近位血管閉塞, および, (3)バイパス+遠位血管閉塞. 後二者はいわゆるflow alterationと呼ばれる手法であり, バイパスを併用しながら瘤内の血流を減じ, 血栓化を誘導する方法である. 当院で施行したネッククリッピング困難な大型/血栓化動脈瘤に対する治療について, その方法と成績を供覧する. 「対象および方法」筆者らが, 2006年11月から2013年10月までの7年間に経験した脳動脈瘤手術358例のうち, 通常のネッククリッピングが困難であった例は29例であった. 内訳は, 内頚動脈瘤12例, 椎骨脳底動脈瘤6例, 中大脳動脈瘤4例, 後大脳動脈瘤3例, 前交通動脈瘤2例, その他後交通動脈(true-Pcom), 後下小脳動脈がそれぞれ1例. 詳細をTable 1に示す. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.44.88 |