遠隔モニタリング管理における標準作業手順書導入の有用性

遠隔モニタリング(RM)システムの普及に伴い,臨床工学技士のRMに関連する業務は増加している.そのため,RM関連業務を安全に効率化することが急務となっている.また,複数の臨床工学技士がRM業務に携わることから,均質な業務遂行のために,標準作業手順書(以下,手順書)の運用が求められるようになってきた.当院では2016年から手順書を導入し,それに基づいたRM管理を開始した.そこで,手順書導入前後1年間のRM関連業務の変化につき,比較検討を行った.RM対象症例は109例から136例へ増加した(増加率1.25倍).それに伴い,総アラート件数も増加(2,002件/年から2,367件/年に増加:1.18倍...

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Published in心電図 Vol. 40; no. 1; pp. 26 - 34
Main Authors 清水, 憲彦, 後藤, 利彦, 小林, 成道, 丹羽, 敦, 市野, 成弘, 鈴村, 国大, 田島, 志緒里, 大手, 信之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 05.03.2020
日本不整脈心電学会
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Summary:遠隔モニタリング(RM)システムの普及に伴い,臨床工学技士のRMに関連する業務は増加している.そのため,RM関連業務を安全に効率化することが急務となっている.また,複数の臨床工学技士がRM業務に携わることから,均質な業務遂行のために,標準作業手順書(以下,手順書)の運用が求められるようになってきた.当院では2016年から手順書を導入し,それに基づいたRM管理を開始した.そこで,手順書導入前後1年間のRM関連業務の変化につき,比較検討を行った.RM対象症例は109例から136例へ増加した(増加率1.25倍).それに伴い,総アラート件数も増加(2,002件/年から2,367件/年に増加:1.18倍)したが,症例数の増加と比較すると,総アラート件数は相対的に減少した.最も影響したのは,心房細動に関連するアラートの減少(244件/年から60件/年:0.24倍)であった.適切なアラート設定を組み込んだ手順書の導入は,臨床工学技士のRMに関連する業務負担を安全に軽減した.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.40.26