術前塞栓術と直達術により治療を行ったくも膜下出血発症の成人・後頭蓋窩pial AVFの1例
「はじめに」 pial arteriovenous fistula(pAVF)は脳動脈と脳静脈がnidusを介さず短絡する疾患で, 頭蓋内動静脈短絡疾患のうち1.6-4.7%とまれで, 病理組織学的に検討されたものはさらに少ない. また, 正確な自然歴は不明であるが, 症候性pAVFは未治療の場合63%が予後不良であり, 外科的治療が望まれる. われわれは塞栓術後に直達術を行った症例を, 病理学的検討も含め報告する. 「症例」 患者: 63歳, 女性. 主訴:突然の頭痛, 嘔吐. 既往歴:特記すべきことなし. 家族歴:特記すべき異常なし. 現病歴:頭痛を訴え前医を受診し, 頭部CTにて明らかな...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 43; no. 1; pp. 58 - 62 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2015
日本脳卒中の外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.43.58 |
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Summary: | 「はじめに」 pial arteriovenous fistula(pAVF)は脳動脈と脳静脈がnidusを介さず短絡する疾患で, 頭蓋内動静脈短絡疾患のうち1.6-4.7%とまれで, 病理組織学的に検討されたものはさらに少ない. また, 正確な自然歴は不明であるが, 症候性pAVFは未治療の場合63%が予後不良であり, 外科的治療が望まれる. われわれは塞栓術後に直達術を行った症例を, 病理学的検討も含め報告する. 「症例」 患者: 63歳, 女性. 主訴:突然の頭痛, 嘔吐. 既往歴:特記すべきことなし. 家族歴:特記すべき異常なし. 現病歴:頭痛を訴え前医を受診し, 頭部CTにて明らかな異常なく, 点滴加療を受け帰宅したが, 帰宅後も症状の改善がないため, 当院に救急搬送された. 入院時神経学的所見: Japan Coma Scale 1, 頭痛や項部硬直があるものの, 他の神経学的異常所見はなし. 血液生化学検査:異常なし. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.43.58 |