脳底動脈本幹部大型広頚動脈瘤に対するステントを併用したmultiple catheterでのコイル塞栓術

「はじめに」脳底動脈(basilar artery:BA)本幹部の動脈瘤は直達手術が困難で血管内治療の適応となることが多いが, 大型動脈瘤の治療は非常に困難である. double catheter techniqueは, ネックが広い動脈瘤内に2つのコイルを絡めてフレームを安定させるテクニックであるが, 動脈瘤の形状が複雑で1本のカテーテルからのコイル挿入では一部が残存することが懸念される場合にも行われている. 今回われわれは20mm径以上の脳底動脈本幹の動脈瘤を2例経験し, ステント併用下で複数のカテーテルを用いてコイル塞栓術を施行したので報告する. 「症例」<症例1> 30歳,...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 44; no. 1; pp. 58 - 62
Main Authors 橋本, 宏之, 乾, 登史孝, 尾本, 幸治, 松岡, 龍太, 藤本, 憲太, 西口, 充久, 谷, 直樹, 堀内, 薫, 八重垣, 貴英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2016
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.44.58

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Summary:「はじめに」脳底動脈(basilar artery:BA)本幹部の動脈瘤は直達手術が困難で血管内治療の適応となることが多いが, 大型動脈瘤の治療は非常に困難である. double catheter techniqueは, ネックが広い動脈瘤内に2つのコイルを絡めてフレームを安定させるテクニックであるが, 動脈瘤の形状が複雑で1本のカテーテルからのコイル挿入では一部が残存することが懸念される場合にも行われている. 今回われわれは20mm径以上の脳底動脈本幹の動脈瘤を2例経験し, ステント併用下で複数のカテーテルを用いてコイル塞栓術を施行したので報告する. 「症例」<症例1> 30歳, 男性. 嚥下困難を主訴に耳鼻科で右声帯と右軟口蓋麻痺を指摘され, MRIにて脳幹部病変が認められたため当科に紹介となった. MR angiography(MRA), CT angiography(CTA), 脳血管撮影にてBA本幹に25×16×15mm大の巨大動脈瘤を認めた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.44.58