脳動脈瘤手術におけるanterior temporal approachの術式標準化の試み

「はじめに」 近年, 安全性を向上させるため, 手術手技の標準化が脳神経外科領域のみならず外科領域の全般で行われつつある. また, その標準化により, 安全性の向上以外に若手医師を含め医療スタッフが効率よく手術手技を学ぶことも可能となるため, 当院では手術全般において積極的に手技の標準化を図ってきた. 脳動脈瘤に対するアプローチの1つであるanterior temporal approachは, 側頭葉を後方へ牽引することによりtranssylvian approachより側方からの視野が獲得され, 内頚動脈の後方に広いスペースを確保することができる. それにより後ろ向きの内頚動脈瘤や遠位部脳...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 43; no. 1; pp. 12 - 17
Main Authors 勝野, 亮, 川崎, 和凡, 橋本, 政明, 泉, 直人, 上森, 元気
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2015
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.43.12

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Summary:「はじめに」 近年, 安全性を向上させるため, 手術手技の標準化が脳神経外科領域のみならず外科領域の全般で行われつつある. また, その標準化により, 安全性の向上以外に若手医師を含め医療スタッフが効率よく手術手技を学ぶことも可能となるため, 当院では手術全般において積極的に手技の標準化を図ってきた. 脳動脈瘤に対するアプローチの1つであるanterior temporal approachは, 側頭葉を後方へ牽引することによりtranssylvian approachより側方からの視野が獲得され, 内頚動脈の後方に広いスペースを確保することができる. それにより後ろ向きの内頚動脈瘤や遠位部脳底動脈瘤に対して有用で, 汎用性が高いアプローチ方法であると考えている. 本稿では, その脳動脈瘤に対するanterior temporal approachの術式標準化の試みを報告する. 「手術手技」 anterior temporal approachの最終目標は, 側頭葉の鉤回を無理なく後方に牽引することであるため, 体位取りからそれを念頭に行う必要がある.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.43.12