健康手帳「Myカルテ」を使った生活習慣病対策

• Published in: 日本衛生学雑誌 Vol. 72; no. 1; pp. 10 - 14
• Main Authors: 尾崎, 貴視, 小野, 克明, 業天, 真之, 水田, 潤, 藤田, 由美子, 井下, 秀司, 瀬戸, 浩之, 大橋, 育子, 三野, 正博, 國土, 修平, 池田, 博行, 河田, 健介, 濱野, 弘一, 福岡, 秀興
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人日本衛生学会 2017; 日本衛生学会
• Subjects: DOHaD (Developmental Origins of Health and Disease); Myカルテ; 小児検診; 小児生活習慣病; 小児身体発育; 母子健康手帳
• ISSN: 0021-5082; 1882-6482
• DOI: 10.1265/jjh.72.10

「はじめに」わが国では母子の健康を確保するために, 妊婦健診をはじめ, 様々な小児の健診が行われており, 乳幼児健診やワクチン接種, 発育状況のデータは, 母子健康手帳に記載されている. 一方, それ以外の小児健診, 疾病罹患歴及びその治療履歴, 治療後の健康状態については, 一つにまとまった個人のデータとして集積・閲覧する方法がないために, 個人の経年的な健康状態は把握しづらく, 的確な生活指導や医療を難しくしている. そこで, 三豊市および観音寺市(以後, 三観地区)では, 運営会議を組織し母子健康手帳の増補版として個人の身体発育及び疾病履歴をその都度記載する「Myカルテ」と称する手帳を作成した. なお「生活習慣病は, 胎生期及び乳幼児期の環境の影響を強く受けて遺伝子発現機構(エピジェネティック)が変化し, その後に望ましくないライフスタイルの影響を受けることで発症していく」との説(DOHaD説:Developmental Origins of Health and Disease)が生活習慣病の発症メカニズムとして注目されており, その視点も含めて「Myカルテ」が作成されている.