Endo-Catch®を用いて単孔式腹腔鏡下手術を施行した直径6cm胃GISTの1例
胃のGastrointestinal stromal tumor(以下GIST)はリンパ節郭清が不要であり,部分切除が望まれることから腹腔鏡下手術の良い適応とされる.しかし腫瘍径が5cm以上の場合は悪性度が高く,腫瘍細胞の播種の危険性があり開腹手術が望まれる.我々は6cmのGISTに対し,5cmの小切開による単孔式腹腔鏡下手術を完遂した1例を経験したため報告する.症例は80歳代女性.上部消化管内視鏡検査,腹部CTで6cm大の胃GISTを疑い,手袋法を用いた単孔式腹腔鏡下手術を施行した.Endo-Catch?を用い腫瘍を収納後,これを用いて腫瘍を牽引し,自動縫合器で切除し標本を摘出した.摘出標本...
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Published in | 山口医学 Vol. 61; no. 4; pp. 157 - 161 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
山口大学医学会
01.11.2012
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0513-1731 1880-4462 |
DOI | 10.2342/ymj.61.157 |
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Summary: | 胃のGastrointestinal stromal tumor(以下GIST)はリンパ節郭清が不要であり,部分切除が望まれることから腹腔鏡下手術の良い適応とされる.しかし腫瘍径が5cm以上の場合は悪性度が高く,腫瘍細胞の播種の危険性があり開腹手術が望まれる.我々は6cmのGISTに対し,5cmの小切開による単孔式腹腔鏡下手術を完遂した1例を経験したため報告する.症例は80歳代女性.上部消化管内視鏡検査,腹部CTで6cm大の胃GISTを疑い,手袋法を用いた単孔式腹腔鏡下手術を施行した.Endo-Catch?を用い腫瘍を収納後,これを用いて腫瘍を牽引し,自動縫合器で切除し標本を摘出した.摘出標本の免疫組織化学染色ではc-kit陽性,CD34陽性,MIB1 index(less than 1%)であった.術後経過は良好で術後8日目に退院した.術後1年経過した現在,再発徴候を認めていない. |
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ISSN: | 0513-1731 1880-4462 |
DOI: | 10.2342/ymj.61.157 |